重複組合せと組合せの関係式
問題です。解答は下部に載せました。
問題: および を 以上の任意の整数とする。このとき、
となることを示せ。
解答:題意の式の左辺は重複組合せのよく知られた公式である。ところで、 種類のものから重複を許して 個選ぶ場合、選ばれるものの種類の数を とすれば、明らかに である。そして、 種類のものから 種類を選ぶときの選び方の総数は 通りであり、それぞれの選び方について重複組合せの総数を考えると、 種類のものが少なくとも一つずつ選ばれていることに気を付ければ、それは
通りある。よって、 種類のものからまず 種類のものを選び、選ばれた 種類のものから重複を許して 個選ぶ場合の数は
となり、これをすべての について考えて足し合わせたものが 種類のものから重複を許して 個選ぶ場合の数となるから、題意の式が成り立つ。
1に収束する無限級数の構成
問題です。解答は下部に載せました。
問題: を非負整数、 とする。このとき、 とおけば、
となることを示せ。
解答: を より大きい正の整数として、
とおく。このとき、
である。なぜなら、
となるからである。
であるから、 より、
である。よって、
を計算する際に、各項の値はすべて によって与えても構わない。 は、 を任意に大きく取っても成り立つので、
(証明終)
具体例:例えば、 とおけば、これは を満たしているので、
が成り立ちます。この場合、
同じ種類の文字が続く部分の個数と確率
問題です。解答は下部に載せました。
問題: 種の文字からランダムに 個の文字を選び1列に並べる。このとき、同じ種類の文字が続く部分(1文字でもよい)が 個ある並べ方の数 とその確率 を求めよ。また、 が最大となる を求めよ。
解答:同じ種類の文字が続く部分の仕切り方は 通りある。
次に、仕切られた部分への文字の当てはめ方を考える。 個の仕切られた部分から任意にひとつをとり、その部分に 通りの文字を当てはめるとすれば、その両隣りの部分は重複がないようにすると 通りの文字の当てはめ方が考えられる。同様にして、始めに指定した仕切られた部分以外は 通りの文字の当てはめ方があるとわかるので、結局、仕切られた部分への文字の当てはめ方は 通りある。よって、
となる。また、 種の文字からランダムに 個の文字を選び1列に並べるときの並べ方の総数は 通りなので、
となる。
続いて、 が最大となる を求める。これは、次の不等式を満たす最大の に等しい。
上の不等式を変形すると、
となり、求める はこの不等式を満たす最大の である。
補足:明らかに、
が成り立つ。よって、 は、
を満たす。
下のグラフは、 、 のときの、 を縦軸に取り、横軸に を取ったものです。
x=((sinθ)^n)cosθ, y=(sinθ)^(n+1) が描く曲線で囲まれた領域の面積
問題です。解答は下部に載せました。
問題: とする。
このとき、 を求めよ。
解答
のように変更すると、
(ウォリス積分)
上図は、 の場合に、 の範囲でグラフを描いたものです。関数 は が奇数のときは周期 、 が偶数のときは周期 となっています。
半円弧の振り子
問題です。解答は下部に載せました。
問題:Fig 1のように、水平面に線密度 、半径 の半円弧が置かれている。半円弧が静止しているときに、水平面と接している点を 、半円弧の中心を 、半円弧の重心を とする。この半円弧を、Fig 2のように傾けたときに、水平面との接点を とし、 とする。このとき、以下の問いに答えよ。ただし、重力加速度を とする。
(1)Fig 1の状態における点 を原点 にとり、重心 の座標を 、 を用いて表せ。
(2)半円弧をFig 2のように傾け、 となった状態から半円弧を手放す場合、 の時間変化の二乗、すなわち、 を 、 、 、 を用いて表せ。
解答:
(1)まず、静止状態における重心 の座標を求める。半円弧は 軸対称であるから、 は 軸上にある。そこで、 とおく。Fig 3のように、微小片 をとり、重心 における 軸方向の力のモーメントの釣り合いを考えると、
次に、Fig 2のように半円弧を傾けた場合、 である。重心 から線分 に垂線 を下ろし、三角形 に着目すると、
となることがわかる。
(2)半円弧を となるように傾けたときの重心 の位置エネルギーを とおくと、
ただし、 とおいた。
また、重心 の速さの二乗を とすれば、
である。よって、力学的エネルギー保存則より、
おまけ:下の図は、 、 、 として、 の時間変化を数値計算により求めた結果です。
算術平均のスケールずらし
問題です。解答は下部に載せました。
問題
個の任意の実数 について考える。
とおく。このとき、 とおくと、
となることを示せ。
解答:
よって、