汚れた雑巾を桶に入れた水ですすいで洗うときに,こんなことを気にしたことはありませんか?
一度にたくさん桶に水を入れて豪快にすすぐ場合と,少し桶に水を入れてすすいだ後で桶の水を入れ替えてすすぐことを繰り返す場合,どちらが水の節約になるのだろう?
この記事では,上の疑問を線形吸着で考えてみます.ただ,結論を先に言っておくと,今から説明することが実際に成り立っていたとしても,実験をしてみないことにはどちらが水の節約になるのかはわかりません.
まず,雑巾の繊維1グラムあたりに吸着している汚れの質量を [g/g] とし,桶の水の汚れの濃度を [g/ml] とします.このとき,次式が成り立っているとします.
ここで, [ml/g] は比例定数です.
今, である雑巾があります.ここで, [g] は雑巾の繊維に吸着している汚れの質量, [g] は雑巾の繊維の質量とします.汚れをまったく含まない水( )が [ml] あるとき,この雑巾を一回で洗った場合と二回に分けて洗った場合を比較して,どちらの方法が雑巾をより綺麗にするのかを考えます.
1.雑巾を一回で洗った場合
汚れが桶に入れた [ml] の水と雑巾の繊維との間で平衡に達したとき,雑巾から水に移動した汚れの質量を [g] とすると, 式より,次式が成り立ちます.
式を について解くと,次式が得られます.
より,汚れが桶に入れた [ml] の水と雑巾の繊維との間で平衡に達したときの は次式で表されます.
2.雑巾を二回に分けて洗った場合
式に着目すると,桶に入れる水量が毎回 で一定の場合, 回洗ったときの は次式で表されます.
雑巾を二回に分けて洗う場合, [ml] の水で2回洗うことになるので, 式より,
1と2を比較するために, 式から を計算すると,次式が得られます.
式から1と2のどちらが雑巾を綺麗に洗えるかは, と の大小関係に応じて決まるといえます.
つまり,実験により雑巾の繊維と汚れについての を測定しないことには,1と2のどちらが雑巾を綺麗に洗えるかはわかりません.わかっていることは,1より2の方法のほうが手間がかかるということです.
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