正方形にはいくつかの無限等比数列が潜んでいます.この記事では1辺の長さが1の正方形を例にとり,2つの無限等比数列について紹介します.
(1)長辺の中点を通り,長辺に垂直な直線を次々と引くことで得られる数列
これは面積に関する無限等比数列です.1番外側の正方形の1辺の中点を通り,その辺に垂直な直線を引きます.すると,正方形が2つの長方形に分割されます.この長方形の面積(1×1/2=1/2)を初項とします.続いて,2つの長方形の内の片方を選び,その長方形の長辺の中点を通り,その辺に垂直な直線を引きます.すると,長方形が2つの正方形に分割されます.この正方形の面積(1/2×1/2=1/4)を第2項とします.以下,同様の操作を繰り返していくと,次の無限等比数列を得ます.
また,図から明らかに次式が成り立ちます.
(2) 正方形の内部に生じる三角形を次々と2分割することで得られる数列
これは長さに関する無限等比数列です.1番外側の正方形の対角線の長さ(√2)を初項とします.次に,1番外側の正方形の1辺の長さ(1)を第2項とします.続いて,対角線を引くことにより生じた2つの三角形の片方を2分割する線を引きます.この線の長さ(√2/2)を第3項とします.以下,生じる2つの三角形の片方を2分割する線を引き続け,その線の長さをもとに数列を作ると,次の無限等比数列を得ます.
上の数列は,初項√2,公比1/√2<1ですから,次式が成り立ちます.