循環数列についての問題です.解答は下部に載せました.
問題
を虚数単位, および を自然数, を整数とする.このとき,次の問いに答えよ.
1.
が成り立つことを証明せよ.
2.
が の倍数であるとき,
であることを証明せよ.
3.
が の倍数でないとき,
であることを証明せよ.
4.
というように, 個おきに同じ項が繰り返される数列を周期 の循環数列と呼ぶ.この数列の一般項 を求めよ.
解答
1.
正 角形の底辺の右隣の辺を 番目として,そこから反時計回りに各辺に番号をつける.各辺を終点から始点の向きが反時計回りであるベクトルとみなすと, 番目の辺は複素平面において で表されるベクトルと等しい.よって, は正 角形の底辺の右側の頂点から反時計回りに一周して同じ点に戻ることを表している.ゆえに,
は成り立つ.
2.
は の倍数であるから,( は整数)とおくと,
3.
は の倍数でないから,次のように場合分けをする.
[1] と が互いに素である場合
まず,次の定理を証明する.
定理1: および を, , , を満たす自然数とする.このとき, が成り立つ.
証明: と仮定すると,次式が成り立つ.
ここで, と は互いに相異なる整数であり, は を満たす自然数である.
より,次式が成り立つ.
ここで, , より, であるから, は の倍数ではない.よって, は と 以外の公約数を持つことになるが,これは と が互いに素であることと矛盾する.
よって, は成り立つ.
定理1と, から, は正 角形の各辺を表すベクトルをすべて足し合わせたものに等しいといえる.
よって,次式が成り立つ.
[2] と が最大公約数 を持つ場合
まず,次の定理を証明する.
定理2: , および を整数とする.このとき,次が成立する.
証明: は整数, は を満たす自然数 とおく.このとき, である.すると,
となる.また,次も成り立つ.
続いて,次の定理を証明する.
定理3: を整数とする.このとき,次式が成り立つ.
証明: , とおく.ここで, は整数, は自然数であり, と は互いに素である.このとき,
定理1,定理2,定理3と から, は正 角形の各辺を表すベクトルをすべて足し合わせて 倍したものに等しいといえる.よって,
[1],[2]より, が の倍数でないとき,
4.
周期 の循環数列は とすると,第 項は となる.そのため,次式は周期 の循環数列の一般項 となる.