次式で表される漸化式について考えます.
ここで, , , は任意の定数です.ただし, , , とします.
を解くために,まずは次式を考えます.
ここで, は0でない任意の定数です.
式を 式に代入すると,次式が得られます.
式を について解くと次式を得ます.
よって,次式は 式を満たします.
ところで, 式にガンマ関数を含む項を加えた次式も 式を満たします.
ここで, は任意の定数です.
式が 式を満たすことは,ガンマ関数の性質の一つである次式を用いて確認できます.気になる方は式変形してみてください.
ここで, は正の実数とします.
とすると, 式より, は次式で与えられます.ただし, , は任意の実数とします.
ところで, であり, , , がいずれも整数であるとき, が整数ならば は整数になります.
これは,次のように証明できます.
まず,上に示した条件下において, 式の右辺第1項が整数となることは明らかです.
続いて, 式の右辺第2項ですが,これは次式となります.
式の一番右側のかっこ内が整数であるのは明らかです.そこで,ガンマ関数で表された部分についてですが,これは次のように二項係数を用いて表すことができます.
ここで,ガンマ関数の次の性質を使いました.
二項係数は整数なので, 式の右辺第2項は整数であるといえます.
以上より, 式の右辺は整数となり, は整数であることが示せました.
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